DDJ-REV5とDDJ-FLX10、どっちを買う?
入門機の比較記事は世の中にたくさんあるのに、10万円クラスになると急に情報が薄くなります。買う人が少ないから仕方ないのですが、金額が金額なので、ここで間違えると凹み方も大きい。
今回はAlphaTheta(Pioneer DJ)の上位3台——DDJ-REV5、DDJ-FLX10、OMNIS-DUO——を並べます。先に身も蓋もないことを言うと、この3台は「どれが一番いいか」を競う関係ではありません。向いている人がまるで違うので、自分がどれに当てはまるかだけ確認すれば決まります。
3台のスペックを並べる
| DDJ-REV5 | DDJ-FLX10 | OMNIS-DUO | |
|---|---|---|---|
| 実売価格の目安 | 約9万円 | 約15万円 | 約15万円 |
| チャンネル数 | 2ch | 4ch | 2ch |
| PC | 必要 | 必要 | 不要(単体で動く) |
| 対応ソフト | rekordbox / Serato DJ Pro | rekordbox / Serato DJ Pro / djay Pro | rekordbox(USB/SDから直接再生) |
| パッド | 16 | 8 | なし |
| ジョグ画面 | あり | あり | あり(タッチ画面) |
| 重さ / 幅 | 6.2kg / 73.6cm | 6.7kg / 71.6cm | 4.6kg / 50cm |
| 性格 | バトル・スクラッチ特化 | クラブ移行の王道 | 持ち運べる現場機 |
数字で見えないところを補足しながら、1台ずつ見ていきます。
DDJ-REV5:スクラッチを「本気で」やる人の機体
REV5はバトルDJの機材構成(DJMミキサー+ターンテーブル)を模したレイアウトで、テンポスライダーが横置き、パッドがミキサー側に16個。この時点で用途がはっきりしています。HipHop・スクラッチをやり込みたい人の機体です。
3台の中では一番安い約9万円ですが、安いから格下という話ではなく、2chに全振りした結果です。ジョグに液晶が入っていて、スクラッチ中に曲の情報から目を切らなくていいのは、実際に擦ると分かるありがたさがあります。
注意点はサイズ。幅73.6cmは入門機のFLX4(48cm)と比べるとかなり場所を取ります。買う前に、置く予定の机をメジャーで測ってください。冗談ではなく、届いてから「乗らない」となる人がいます。
House/Technoしかやらないなら、REV5を選ぶ理由はほぼありません。その場合は次のFLX10です。
DDJ-FLX10:クラブのブースに一番近い1台
FLX10は4ch。つまりクラブに置いてあるミキサー(DJM系)と同じ感覚でチャンネルを扱えます。「いずれクラブで回したい」「CDJの操作感に近づけて練習したい」なら、自宅練習機としてはこれが終着点に近い。
もうひとつの目玉が**STEMS(楽曲のボーカル・ドラム等をリアルタイム分離)**で、マッシュアップ的なプレイが仕込みなしでできます。これは入門機にはない飛び道具で、プレイの幅が目に見えて変わる機能です。
弱点ははっきり2つ。15万円という価格と、6.7kgという重さです。6.7kgは、電車で現場に運ぶ気が失せる重さだと思ってください。基本は家に据え置いて、現場ではクラブのCDJを使う——という使い方が前提の機体です。
あと誤解が多いのですが、FLX10はPCが必須です。値段的にスタンドアロンで動きそうな見た目をしていますが、動きません。PCを持ち歩きたくない人は次へ。
OMNIS-DUO:PCを捨てたい人の答え
OMNIS-DUOだけ毛色が違います。PC不要。USBメモリやSDカードを挿せば単体で鳴り、バッテリーで約5時間動きます。4.6kg・幅50cmで、3台の中では唯一「肩掛けバッグで持ち出せる」サイズ感です。
友人のパーティーに機材ごと持ち込む、屋外で回す、バーの小さなブースに置く——そういう「現場に持っていく」使い方をする人には、REV5もFLX10も選択肢になりません。電源とスピーカーさえあれば完結するのはこの機体だけです。
代わりに割り切りもあります。パフォーマンスパッドはなく、スクラッチ向きでもない。プレイの派手さより「どこでも鳴らせること」に15万円を払う機体です。ここが刺さらない人には高い買い物になるので、正直、3台の中で一番「人を選ぶ」1台だと思います。
で、どれを買うべきか
- HipHop・スクラッチをやり込む → REV5。約9万円で済むので、実はこの3台では一番コスパがいい
- House/Technoでクラブを目指す・4chとSTEMSが欲しい → FLX10
- 現場に持ち出して鳴らしたい・PCから解放されたい → OMNIS-DUO
そして大事なことをひとつ。いまFLX4などの入門機を使っていて特に不満がないなら、買い替えを急ぐ必要はありません。上位機は「2chじゃ足りない」「擦りたいのにジョグが物足りない」「PCの持ち運びが苦痛」——そういう具体的な不満が出てから買うほうが、確実に選択を間違えません。
最新の価格と販路(Amazon・サウンドハウス・楽天)は機材比較ページにまとめています。そもそも自分がどのタイプか分からない人は、3分の機材診断からどうぞ。ソフト選びで迷っている人はrekordboxとSeratoの比較も参考に。